仏教とは、仏である御釈迦様の教えだから仏教でもあり、仏になる為の教えだから仏教でもあります。仏教の目標である仏になること。これを「成仏」といいます。
では何故、成仏を目指すのでしょうか。それは、私たちが幸せを求めるからです。
幸せになるには様々な苦しみを解決していかなければなりません。
お釈迦様は、お生まれになって七歩歩まれたという伝説があります。6つの世界、六道(地獄・餓鬼・畜生・修羅・人・天)を彷徨う私たちたちに七歩目である解脱の教えをしめしたのがお釈迦様です。
「天上天下唯我独尊」の誕生偈の後に、「一切皆苦 我当救之」とあるように、全ての生きとし生けるものを六道から解脱に導き、本当の救いを説いて下さいました。
そのの苦しみは、四苦八苦。
生・老・病・死に始まり、
愛別離苦(愛する者との別れ)
怨憎会苦(嫌いな人との出会い)
求不得苦(欲しいと思うが手に入らない)
五蘊盛苦(怒りや欲が噴き出す)
の八つが原因です。
生まれ変わり死に変わりする中で、自分の悪い行いの報いによって地獄に堕ち、自分の良い行いによって天に生まれる私たち。しかし、例え天に生まれても四苦八苦から逃れることは出来ません。どこまでも苦しみの世界から離れる事が出来ない私たちです。
仏教である様々な宗派の説かれる(「空」の思想などの)教えは、苦しみ少なく大切な時間を歩んでゆく教えです。
そして、私たちの一大事である「自分の命終わる行く先」、「家族の命終わる行く先」が四苦八苦の苦しみの世界(六道輪廻)に迷わず、阿弥陀佛によって六道から離れた世界「極楽浄土」に救って頂ける為に、お念仏を称える事を御釈迦様は伝え残して下さいました。
この世では悟り成仏することの出来ない私たちの為に、まずは極楽浄土に向かい整った環境で成仏を目指して行きます。
この世でも御釈迦様の教え、そして仏に向かう教えを大切にし、この世を廃悪修善で歩み、少欲知足の思いで慎み、命終わる時には阿弥陀様の救いを願ってお念仏を称えて行く事が、この世、後の世を苦しみ少なく幸せを求める仏教信者です。